管理

不動産投資のキャッシュフローを左右する減価償却の重要性について

「不動産投資で儲かったとしても、支払う税金が増えたら困る!」と考えたことはありませんか?不動産投資で継続的に利益を出すためには、受け取る家賃や支払う経費以外にも「減価償却」について理解しておかなければいけません。

そもそも減価償却とは

減価償却とは、建物などの固定資産の購入費用を複数年に分けて経費にするための会計処理方法です。減価償却を行う年数を「耐用年数」といいます。耐用年数は、アパートなどの木造住宅であれば22年、鉄筋コンクリートのマンションであれば47年など、構造・設備ごとに細かく定められています。

耐用年数がすでに経過している中古物件の場合、耐用年数×20%が償却期間となります。例えば、1990年に建築された木造アパートを2018年に購入した場合、28年が経過しており、耐用年数の22年はすでに経過済みです。よってこの木造アパートは22年×20%の4年(1年未満の端数は切り捨て)で減価償却することになります。

減価償却した場合としなかった場合の税金を比較

減価償却のメリットを理解するために、減価償却をしなかった場合と減価償却をした場合とで所得税額を比較してみましょう。物件の条件などは以下のように仮定します。

・物件価格:1億円
・建物部分:5,000万円(土地部分:5,000万円)
・構造:鉄筋コンクリート
・償却期間:20年(年間の減価償却費250万円)
・年間家賃収入:800万円
・減価償却以外の年間費用:200万円
・家賃収入を除く給料などの年間所得:700万円(各種所得控除後)

【減価償却しなかった場合の所得税】
(800万円-200万円+700万円)×0.33-153万6,000円(控除額)=275万4,000円

【減価償却した場合の所得税】
(800万円-200万円-250万円+700万円)×0.33-153万6,000円=192万9,000円

減価償却した場合、所得税は82万5,000円も少なくなることがわかります。

減価償却費は多ければ多いほどよい?

節税のために減価償却費は多ければ多いほど良いだろうと考えてしまいがちです。しかし、一概にそうとも言い切れません。減価償却費を多くするためには建物部分の比率を大きく取る必要があります。割安な価格で取得したのちに良好な賃貸経営がなされている物件は、購入から年数が経過していてもそれほど値下がりせずに売却できる場合が多い傾向です。

ただし、減価償却により建物部分の評価額は大きく減少しているため、不動産の簿価はかなり安くなりがちです。そのため、売却時の売却益が大きくなってしまい、売却益に対する課税も大きくなります。また、建物部分の価格には消費税が含まれることも忘れてはいけません。(売り主が不動産業者の場合)建物部分の価格を大きく取ると、消費税も高くなります。

他にも、建物部分の価格が固定資産税評価額や標準建築価格からあまりにも掛け離れていると、合理的な基準とは認められない可能性もあります。

定額法と定率法の違いは?

減価償却には定額法と定率法の2種類があります。先ほどの減価償却の計算では定額法を利用しました。定額法は、資産価格を償却期間で割り算して毎年の費用として計上する方法です。5,000万円を20年で割ると、毎年の減価償却費は250万円となります。定率法は、資産の残存価値に対して毎年一定割合を掛け算して減価償却費を算出する方法です。

定率法には、購入直後の経費を大きく計上できるというメリットがあります。しかし、建物部分については定額法しか認められておらず、建物付属設備に関しても2016年度税制改正により定額法のみとなりました。

まとめ

減価償却をうまく活用することで節税が可能ということが理解できたのではないでしょうか。当然ながら、物件の所有期間が長くなると減価償却期間は終わってしまいます。その場合は、新しい物件を購入することで減価償却が再度可能です。不動産投資は、売却まで行って初めて利益率が確定する投資になります。築年数の経過に応じて売却や購入を繰り返すことも、不動産投資に必要な作業です。税金を払うこと自体も立派な社会貢献ですので、適切な範囲内での節税を心がけてください。

【オススメ記事】
高利回りを狙う人に中古マンション投資をおすすめする理由
マンション経営は物件選びが大事 あなたに最適の投資用物件は?
マンション経営、失敗するとどうなる?リスクを知って未然に防ぐ
中古マンション投資の注意点 新築と比べたときのデメリット3つ
利回り計算 3つの考え方を身に付けて不動産投資を成功させよう