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マンション経営の基本
2018/06/22

不動産投資をするならどこに買う?地域性の見分け方

(写真=Helen Filatova/Shutterstock.com)
(写真=Helen Filatova/Shutterstock.com)
不動産を買うなら、土地の特性についてよく考える必要があります。なぜなら、「不動産」という文字のごとく不動産は動かせないため、物件の資産価値を左右する大きな点だからです。不動産投資では、「需要がある地域なのか」「将来どう発展していくのか」「買い増していくならどのような戦略をとっていくか」などが重要になります。ここでは、不動産投資をする際の地域性の見分け方について解説します。

地域戦略の考え方

「物件をどの地域に買うか」は、不動産投資をはじめるときに決めることの一つです。多くの人は漠然としていても何かしらの基準をもって地域を選定しているでしょう。例えば、「自宅から車で2時間以内にいけるところ」「融資の審査がおりるところならどこでもよい」など大雑把に考えている人もいるかもしれません。

しかし、利回りなど数字的な側面以外にもこだわりをもつことが、不動産投資を継続して発展させることのコツです。そのため、地域の絞り込みは何となくするのではなく、戦略的に行うべきです。上記で挙げたような考え方も、大雑把といえば大雑把ですが、それが理にかなっているものなら構いません。

ただ、そのこだわりが収益性を高めたりリスクを回避したりといったメリットをもたらすものかどうかについては検討することが必要です。それでは、具体的にどのような地域戦略があるのでしょうか。例えば、下記のような項目を検討してみましょう。

・融資可能なエリアから考える
・ドミナント(集中)戦略
・DIYを多用するため、自宅からの距離が近いほうがよい
・地域にはこだわらず、とにかく利回り優先

全国の需要がある地域から高利回りの物件を探すのは大変な作業です。物件を狙う地域の考え方としては、まず「特定の地域に集中する」「特定の地域にこだわらず、ほかの指標を使って全国から探す」の2つに分けられます。それぞれの方法をもう少し詳しく見ていきます。

ドミナント戦略のよいところ

ドミナント戦略とは、ある地域に集中して物件を獲得する手法です。もともとはコンビニエンスストアのような小売店が、地域におけるブランド力の向上や物流の効率化などのために、既存の店舗の近くに次々と出店していく戦略のことをいいます。この考え方を不動産投資にあてはめてメリットやデメリットについて考えてみましょう。

まず、特定の地域に集中することで管理会社を一元化することができることはメリットです。物件を「募集」「入居者対応」「修繕する」などの力は不動産業者によってバラツキがあります。もし信用できるところに任せられれば、物件を買うごとに新しい会社を探す手間が省けることも魅力的です。また、いつも同じ担当者とやりとりできればコミュケーションもスムーズになるでしょう。

また、物件の規模を拡大すればするほど、管理会社の中で「重要な顧客」との認識が高まることが期待できます。特に、客付けにおいて優先されることがあるなど「オーナーとしての信用」も高めることが可能です。つまり、特定の不動産業者との関係性を深めることによって、自分の優位性を高めることができるのです。新規の物件を探すときにも同じことがいえます。特定の不動産業者と仲良くつきあうことで、鮮度のよい情報をつかみやすくなるのです。

また、コスト上のメリットもあります。所有物件の様子をみたり、購入を検討したりするために現地を訪問する際の交通費が安く済む傾向です。普段住んでいるところと多少の距離があったとしても、ドミナント戦略で物件を購入していれば下記のような選択もできます。

・既存物件の管理会社と打ち合わせするついでに新規物件を見に行く
・新規設備の交換をリフォーム業者にまとめて発注することで値引きしてもらう

さらに、特定の地域での賃貸経営ノウハウを蓄積できるということもドミナント戦略のメリットです。利回りや賃貸需要には地域性があるので、エリアを絞ってマンション経営を続けていれば、優良物件か否かの判断が迅速・確実になってくるでしょう。入居率の向上にもニーズをくみ取った施策が可能になるはずです。物件を購入する地域を絞るドミナント戦略は、上記のように大きなメリットがあります。

分散投資で全国から物件を探す

しかし、ドミナント戦略は良いことばかりではありません。デメリットとして、天災リスクに対して弱いということが挙げられます。水害や地震など、一定の地域にわたって被害が拡大する災害は、所有物件の多くを一瞬にして稼働を止めてしまう可能性が少なからずあります。もし、地震で所有物件のすべてが倒壊してしまったら、さまざまな心配ごとが出てくるでしょう。

・保険金で被害のすべてをカバーできるか?
・建て直すまで家賃収入がないが、返済はどうする?
・物理的に復活しても、入居者は戻ってきてくれるのか?

やはり、不動産賃貸経営にとって天災リスクは大きな壁であり、一つの地域に集中すればするほど、一度の災害ですべてを失う可能性は高くなってしまうのです。天災リスクに対する最も効果的な対策は地域を集中させない「分散投資」だということになります。「ドミナント戦略」「分散投資」のどちらをとるかは、投資スタイルや好みによって異なるでしょう。

どちらを選択するかをすぐに決める必要はありません。もしドミナント戦略を採用するのであれば、まずはどのような地域が有利になるか見極めることが必要です。その際には次のような指標が参考になります。

空室率でみる

マクロな指標から賃貸需要を推測することは必ずしも不動産投資に必要ではありません。数値が良くても失敗することはありますし、逆にあまり良くない地域でも、努力次第で満室経営は可能です。しかし、一定の基準をもって物件購入エリアを精査すれば、マンション経営が成功する確率は少なからず上がるでしょう。

まず、周辺地域の空室率は部屋が埋まりやすいかどうかを見るのに適しています。仮に近所のマンションやアパートにまったく空室がない状態だったら、その地域には入居者が入りやすい何らかの理由があるのです。空室率を調べるためには、現地に足を運んで近隣の住宅を眺め、どれくらいの部屋に人が住んでいるのかあたりをつけることが確実な方法といえるでしょう。

人が住んでいるかどうかは、「窓にカーテンがついているか」「郵便受けの様子」などから推測します。もう一歩踏み込んで調べると、「ガスの元栓が開いているか」でもわかるでしょう。あまり物色していると不審者と勘違いされるかもしれませんので、節度をもって行うことが無難です。ざっくりとした数字は、「HOME’S見える!賃貸経営」でも見ることができます。

単位は市や区など比較的広範囲にわたりますが、「ドミナント戦略で進出するか」を判断する際のヒントの一つにはなるのではないでしょうか。

人口でみる

マクロなデータから地域の賃貸需要を予想する方法として代表的なもののもう一つは人口です。単純に多いか少ないも重要ですが、人口ピラミッドを見てみることも大事です。短期で売却する可能性が高いのであれば別ですが、若年者が多いところは将来有望です。

例えば、10代の若年層は10~20年後にメインの労働力となるため、若年層が多い地域は単身や子どもがいる世帯の物件の需要が増えると見込むことができます。人口については総務省をはじめとしてさまざまな研究機関や自治体が研究をしている傾向です。それらのレポートを読んでみたり、気になる物件や地域のデータを調べてみたりするのもよいでしょう。人口統計のレポートやデータには、次のようなものがあります。

・国立社会保障・人口問題研究所『将来推計人口・世帯数』
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp

・人口統計ラボ
https://toukei-labo.com/2010/?tdfk=13&city=13101
※データは2010年ですが、〇丁目といった詳細な地域から、職業別や家族類型別などさまざまな角度によるデータを見ることができます。

・厚生労働省や自治体が発表する出生率
厚生労働省は毎年「我が国の人口動態」で都道府県別の人口構成などを発表しています。自治体によっては、ホームページでさらに細かいデータを掲載していることがあります。

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利回りでみる

投資物件の情報を見るのに、「気になるのは利回り」という人は多いのではないでしょうか。利回りにも地域性というものがあります。例えば、物件価格の算定方法の一つに、「直接還元法」がありますが、そこで使われる想定利回りには、その地域の中心的な利回りにいくらかの調整が加えられて使われる傾向です。

所有物件の利回りを知っておくことは、売却価格を想定できるということでもあり、出口戦略を考えるうえでも役に立ちます。一般財団法人日本不動産研究所の不動産投資家調査による期待利回りもおすすめです。地域の利回りを正確に知ることは難しいのですが、不動産業者やサイトなどがさまざまなレポートやデータを公開しています。

また、楽待や健美家など不動産投資ポータルサイトが定期的に発表している表面利回りについての統計を利用する際におすすめです。単純に利回りが高い地域に集中するのではなく、「狙っていた物件の利回りが非常に高いが、地域性を考えると一般的」といったように、参考情報の一つとして考えるとよいでしょう。

リスクでみる

前述のとおり、天災リスクは不動産投資で最も避けるべき課題の一つといえます。ドミナント戦略を用いるのであれば「リスクの高い地域は避ける」「分散投資なら物件ごとにリスクの高さを調べ保険や構造などをよく考える」といった工夫が必要です。

一度大きな災害があるとそのイメージに引きずられがちですが、調べてみると意外に確率的にはそれほど大きな被害に合う可能性は高くないことがあります。例えば、四国や九州は台風の上陸数が多い(1951~2018年第3号までのトップは鹿児島県、2位は高知県)ため、水害が多そうに考えられますが、過去の水害被害はそれほど多くありません。

国土交通省の水害統計調査(2016年)で過去10年間の都道府県別被害額を見ると、これらの地域に突出して高い年はないのです。また、「沿岸部は津波のリスク」「山間部は土砂災害のリスク」があるなど、地形的にいろいろ考えてみるとよいでしょう。物件個別のリスクを判定するためには、自治体のハザードマップがおすすめです。

国土交通省ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/

都市の分布でみる

三大都市や政令指定都市など人口の多い大都市圏では、一定の需要があり、比較的入居者が確保しやすいといえます。都市の大きさで考える際には、その地域だけでなく、周りの都市との接続も大切です。人口が多く孤立した大都市よりも、単体では人口がそれほど多くなくても付近の街とのアクセスがよい中都市のほうが、これからの発展に期待ができます。

例えば、横浜市は港町として古くから栄えてきたことに加え、東京のベッドタウンとしても人気があるために発展してきました。

都市の比較

上記の指標を使った地域選定の例として、三大都市の東京・大阪・名古屋を比べてみます。あくまでもデータの解釈の一つであり、異なる意見もあるかもしれません。これをもって都市の優劣を判断しようとしているわけではないことにご留意ください。

・東京
都道府県別の空室率の低さは沖縄県に次いで全国トップクラスです。2035年度の人口構成は60代が最も多い逆ピラミッドで先細りになります。また、利回りは全国に比べると低めで、津波や土砂災害のリスクが低く東部に洪水リスクが見られるのが特徴です。

・名古屋
愛知県の空室率は東京より少し高いですが、全国に比べると低い傾向です。2017年10月の名古屋市の人口構成は20~60代は比較的まんべんなく、それより下は少ないですが東京都に比べると安定感はあります。利回りは大阪と同程度ですが若干高い傾向で洪水リスクには要注意です。

・大阪
大阪府の空室率は全国並みです。2015年度の人口構成は高齢者が多く、逆ピラミッド状態。利回りは全国主要都市の中では高くありませんが、東京と比べると有利です。海抜の低い地域が多いためか、洪水・津波リスクはありますが土砂災害リスクは低い。

地域性はあくまでも参考。大切なのは実践

マンション経営で物件の購入を考える際に地域性を見極めるポイントについて紹介しました。これらの指標は、集中して投資する地域を検討したり全国から物件を探す際にふるいにかけたりするのに便利です。ただ、これらの数字はあくまでも参考であり、絶対的なものではありません。大切なのは実践して学んだことを、その後の戦略に活かして行くことです。

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