物件情報でよく見る「用途地域」って気にしたほうがいい?

投資物件を探すとき、どこに注目しますか?価格と利回りは必ずチェックするでしょうが、用途地域に関してはいかがでしょうか。用途地域は物件概要書に記載されていますが、意識している人は少ないかもしれません。実は、用途地域は不動産投資の取り組み方によっては意外と無視できない要素です。この記事では、用途地域が「どのような投資家にとって、どのように重要か」について解説します。

用途地域とは

各自治体には都市計画というものがあります。自分が所有している土地だからといって好きなように建物を建てていいわけではありません。地域によって「こういう建物を建てたらダメ」「こういう建物ならよい」と決められています。これが用途地域です。

都市計画では、地域を市街化区域と市街化調整区域に分けて考えます。前者は積極的に開発を行っていく地域で、用途地域が設定されます。後者は開発を抑えようとする地域で、原則的に建物を建てることができません。開発に一定のルールを課すことによって、街の景観や住民の生活を守り、効率的な街づくりをしようとしています。

用途地域は物件概要書に記載されているほか、自治体のホームページや役所、国土交通省の「国土数値情報」で調べることができます。
国土交通省
http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-A29.html

用途地域によって何が違うのか

用途地域によって異なるのは、建てられる建物の種類と高さに関する制限、建ぺい率・容積率です。用途地域は2018年4月に新たな「田園住居地域」が加わり、全部で13種類になりました。それぞれに建てられる建物の種類が決まっています。

例えば、工業専用地域では住宅・共同住宅の建設が制限されています。「土地付きの工場を買って取り壊し、マンションに建て替えよう!」と思っても、工業専用地域に属する土地だったらできないわけです。建物の面積によっても建てられる種類は変わってくることがあります。第一種住居地域に50平方メートル以下の自動車整備工場は建ちますが、それを超えた面積の工場は建ちません。

出典:国土交通省「用途地域における建築物制限の緩和について」

建築物の高さは、建築基準法により制限されています。周囲の日当たりを確保するためです。その制限には、「絶対高さ制限」「隣地斜線制限」などがあり、建築基準法によって、用途地域ごとに決まっています。

出典:流山市

建ぺい率は敷地のうち建物を建てられる面積の割合、容積率は敷地面積に対する延べ面積です。しかし、建築基準法では用途地域ごとに一定の範囲が決められており、その中で都市計画によって選択することになっています。

収益物件を探すときには、用途地域の何に注目すればいい?

アパートやマンション、店舗やオフィスなどを新築する際には、建てられる建物の種類、高さ規制、建ぺい率・容積率が要望に合っているものかを確認する必要があります。1階でカフェを開いて、その上は事務所とレジデンス……といった未来を思い描いているのであれば要確認です。

中古物件を買う際にも、コンバージョン(用途変更)や建て替え・建て増しを考えているのであれば、建築できる建物の種類を確認しなければなりません。購入を検討している物件の周りに建つ建物に関しても注意が必要です。例えば、商業地域には「絶対高さの制限」がなく、容積率・建ぺい率も大きいことが多いので、周りに高いビルが建つ可能性があります。

現状は日当たりのよい閑静なマンションでも、やがて状況が変わるかもしれないのです。用途地域では物件概要書には記載されているはずですが、なるべく自分でも確認したほうがいいでしょう。なぜなら、作成している不動産業者も売り主も人間なので、間違えることがありうるからです。

長期の戦略を考えて用途地域も確認しよう

用途地域は自治体の都市計画によって決められており、建てられる建物の種類や高さ制限、建ぺい率・容積率に違いがあります。新築や将来的な建て替え、用途変更などを考えているのであれば要注意です。商業地域のような規制のゆるい地域では周りも同様なので気をつけましょう。物件概要書に記載してありますが、念のため市町村役場や国土交通省のサイトで確認することをおすすめします。

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